肛門周囲膿瘍とは?
肛門周囲膿瘍とは、肛門の周辺に膿が溜まった状態の疾患です。一般的に、飲酒や温水便座の使用、下痢や軟便、抵抗力が弱っている状態のときなどに発症しやすい傾向があります。浅いところにできる膿瘍の場合は激しい痛みを伴い、深いところにできる膿瘍の場合は腰に鈍い痛みを伴います。治療は、主に切開して膿を出す手術を行います。また、痔ろうに進行すると、痛みや発熱を伴ってトンネルから膿が出てくるようになります。この状態を長期間放置してしまうと、トンネルが枝分かれして稀にがん化することもあります。がん化した場合は、手術により肛門を取り除かなければならなくなるため、注意が必要です。
盲腸がんの症状
肛門周囲膿瘍は、発症した箇所によって症状が異なります。浅いところにできる膿瘍は強い痛みを伴い、深いところにできる膿瘍は腰に鈍い痛みのほかに、微熱やだるさも伴います。
- 浅い場所の膿瘍の症状:強い痛み、触れると硬い
- 深い場所の膿瘍の症状:腰の鈍い痛み、微熱とだるさ、触れないことも多い
肛門周囲膿瘍の原因
肛門周囲膿瘍の主な原因は以下の3点となります。
- 下痢、軟便、温水便座の使用などで、肛門のくぼみから細菌が混入すること。
- 体の抵抗力の低下や過度の飲酒。
- 魚の骨などの異物が刺さる、膿皮症などの皮膚の疾患やクローン病、潰瘍性大腸炎、がんなどの合併症。
肛門周囲膿瘍の治療
肛門周囲膿瘍の主な治療は、切開して膿を出す手術になります。細菌を殺す抗菌薬による治療は、薬が膿の内部まで入っていかないため効果があまり期待できず、お勧めしません。
膿の溜まりが小さい場合は、麻酔を使わないか局所麻酔を用いて治療をします。サイズが大きなものの場合は、局所麻酔では不十分なため十分に麻酔を使用して手術を行う必要があります。